寄稿:新たな国家ビジョンとして踏まえるべき点

新たな国家ビジョンとして踏まえるべき点(地方の視点から)

         平成18年1月5日
         島根県地域振興部長 藤原義光

論文の構成

はじめに
(1)少子・高齢化社会への対応
(2)地球環境保全など環境負荷の少ない社会
(3)都市と地方の共生
(4)現代社会が抱え込んだ社会病理の根源的解決
(5)中山間(多自然居住)地域が持つ特性
おわりに

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 論文の「はじめに」の部分を、以下に掲載します。

我が島根は、長い海岸線が連なる、穏やかで時として荒ぶる海や、絵の島と謳われる隠岐諸島。里山から千メートル級まで連なる山々。河と表現される大河川から小川に至る多様な河川。夕陽に映え、朝霧にけむる宍道湖・中海の汽水湖。そして、それぞれの四季の移ろいが鮮やかではっきりした自然、気候、風土、豊かな植生。そこからの四季の恵み、海の幸、山の幸が豊富な『美し國』
国引き国譲りの神話の古代から中世・近世までの豊富な歴史、文化遺産、建造物、史跡が往時をしのばせる。神が舞い人が舞う出雲神楽、石見神楽。海・山・里にとり行われる年中行事や民俗芸能など歴史が息づく『神の國』
ひかえめすぎるほどに温やかで、人情厚く、きめ細やか。勤勉実直で忍耐強く、大義に向かっては犠牲的・奉仕的精神を発揮する県民の集う『民の國』
来訪者はこの地を箱庭的といい、神々の座と呼ぶ日本の面影と呼んだ小泉八雲の時代から今も変わらぬ日本の原郷・日本のふるさと。
出雲弁で訥弁に語り、石見弁で歯切れよくしゃべり、隠岐弁で情緒豊かに歌う『言の葉の國』
空気と水がおいしく温泉の多い、元気で長生きでは日本有数、「お茶」や「花」・「食」の文化が生活にとけ込んでいる『粋の國』
こうした島根は住みよい住んで楽しい、近頃喧伝されるスローライフ、グリーンライフ、ロハス(Lifestyle of Health and Sustainability)に格好の地であると自画自賛している。
私自身、松江市に住み、朝な夕な宍道湖の四季に感傷し、自らも耕す野菜・米をはじめ、海幸・山幸の恵みを受け、正月の出雲大社参り、秋祭りの神楽奉納見物、川や海遊び、山野草を愛でる山歩きなど、島根に住み、日暮らすことに大満足を得ている。本音でつくづく島根はいいところだと思う。
思い浮かぶ島根の魅力の一端を拙ない筆力で述べてきたが、それでも意は伝わるほど、それ程に住んで楽しい地域だと感じていただけたのではないだろうか。
その島根の人口は、本年の国勢調査では約19,000人減の742,173人(速報値)となった。魅力的な住んで楽しいとは実感できても、現実には、暮らしのための生業、収入が得られなければ暮らしは成り立たない。
国調の5年間の社会減約10,000人は、高校卒業後の大学進学や就職による県外流出と大学卒業後の県内流入の差と把握しても大きな違いはない。働き場所があれば島根に住みたい人々がやむなく県外居住を余儀なくされている。ある人はこの状況を島根に居住できる人はエリートだと表現する。
島根の政策の最も必要な部分が産業振興・雇用(就業)の場の創出である由縁である。
こうした特性や課題は島根のみならず全国の地方中小都市や中山間地域に共通したものであり、今後の我が国の国家経営を考える上での政治理念、哲学として構築すべき最も重要なテーマに係るものであると考える。
本稿では、ややもすれば我田引水的な論理であることは承知の上で、地方の視点から我が国が進むべき途はどこに求めるべきか、そのための国家ビジョンの構築に必要な論点は何かについて述べてみたい。

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