「美しい国 日本」の推進

 コンビニの冷蔵庫の中で寝そべったり、パトカーの屋根に上り破損したりする写真をインターネットに“○○なう”と貼り付けする若者の悪ふざけが報道される。不愉快でけったくそ悪い話だ。別なニュースでは、外国人が観光土産店で買ったТシャツにプリントされた「助平、悪魔」などの漢字の意味を聞かされ困惑していた。大半の外国人は漢字の意味はわからずに字形の好みで買うわけだ。
 拾い上げれば切りのないこうした性質(たち)の悪いふざけは、他愛(たわい)ないことだから捨て置けばいいとの見方もあろうが、世の中全体が、「自らの行為が及ぼす結果に対する想像力が欠如してきた風潮だ」ともいえる。想像力の欠如は「ふるまいの劣化」に通じる。
 東京オリンピック2020年開催のプレゼンテーションでは、「日本には“おもてなし”という文化がある」と世界に向かって宣言したからには、いやしくもこうした牋ふざけ文化瓩亙Э 覆佞辰靴腓)して爐もてなし瓩垢戮だと思う。
 これからの日本の世界戦略は、「クール(かしこい、かっこいいの意味)ジャパン」だそうな。マンガやアニメ、ゲーム、音楽、ファッション、そして日本食や家電製品などがそれだというが、さらに進め、日本の伝統的な思想や日本美などの文化をもっとアピールしていくべきだと思う。その第一が「山川草木悉有(しつう)仏性」に込められた自然観だ。人は自然を支配するために神から選ばれた存在ではなく、人も自然界の一員であること、人と自然、地球上の地域と地域はみな対等であるとの自然観であり世界観だ。
 古来、「美しい国 日本」はこうした自然観があって継承されてきた。それを継承し推進するためには、地方の特色ある文化の振興と継承が不可欠だ。これからの7年間はオリンピックの開催に向けた整備や昂揚(こうよう)した景犁き瓩覆匹如東京一極集中が強まるだろうが、それは裏を返せば、危機的な財政状況の中で益々地方への投資余力がなくなり、地域格差が激しくなることを意味する。それが杞憂(きゆう)で終わるよう、効率主義、成果主義一辺倒ではなく、「やるべきこと、やってはいけないこと」をしっかりと見極めて地域(文化)の振興に取り組む必要がある。
 隠岐島のジオパーク認定はこうした地域振興の考えからみて誠に喜ばしい。ジオパークの理念はただ単に観光資源に箔(はく)をつけ、お墨付きを与える趣旨ではなく、優れた自然とそこに共生する人類の営み、そしてその伝統と歴史を狒軋劉瓩箸靴栃歛験萢儼兢気垢襪箸海蹐砲△襦しっかりと地に足をつけた取り組みを心がけたいものだ。映画「渾身(こんしん)」で泣かされた人情・情緒もその好例だ。
 古事記1300年、出雲大社の大遷宮、隠岐ジオパーク。石見銀山の世界遺産登録にあたって評価された自然と共生した鉱山経営。これらのすべてが「神々の座・出雲(山陰)」から「自然と共存する世界観を全世界に向け発信せよ」と背中を押しているようだ。

(諒)


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