寒中お見舞い

 寒中お見舞い申し上げます。
比較的穏やかな歳の明けを迎えましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 私の方は、家内から日常活動全般にわたって(特に飲酒については厳しく)、「もう歳なんだから」とナース・ストップ(通常はドクター・ストップといいます)をかけられながら、それには面従腹背で、「前傾姿勢」を貫いています。
 「昔話や自慢話は老いたる証拠」と、これまた家内からはぼろくそですが、古き良きことで若い者に是非引き継いで欲しいことは、たとえ半世紀前のことであっても言い続けています。
 ふるさと定住財団の仕事はほとんどが若い者が対象です。好みやセンスでは、私の価値観はかえって邪魔になることがあるだろうと、その辺は多少は自覚しながらも、思いや情念の部分、事業の構築や進め方、ネットワークの張り方などについて発言しています(しつこく「現場主義」「前傾姿勢」「生命、生産、生活の3つの生」基礎としています)。
 そんな中、東京都知事選に細川76歳が立候補。応援の小泉は72歳。対抗の舛添は66歳。天下国家を窺うと、どうもまだ我々の世代も天日干し(寒干し)の干物になるわけにいかないと、元気をもらった気になっています。
「ちょっと昔の日本に戻る」。
 現代が、あまりにも市場原理、物質文明、分業社会、効率第一主義などに偏してしまい忘れてしまったもの、失ったものに、再びもう少し光を当てる。田舎のしがらみや旧弊とともに取捨選択することもなく一緒に捨て去った「いいもの」を再評価する。国民の精神もちょっと前の社会に戻したい。
 そのためには、ネット社会に進化したネット・コミュニケーションではなく、それは有効に使いながらも、人と人がお互いの顔や身体を直に見て、相手の心を推察しながら対話することが必要でしょう。それが残されているのが地方であり、これが「地方定住の理念」でもあります。そして、これは、3.11以降しきりに強調される人間関係の再評価=「絆」の再生であり、学校・家庭・地域三位一体の教育、そして、ふるまい向上として提唱してきたことでもあります。
 若い者の思考を観ると、かすかではあるけれど、こうした価値感の“微風”が生まれている気配があります。
 春一番とともに、その風を煽り、起こし、大きくする“ふいご”の役を我々が果たしたいものだと気負ってみたりしています。
 時節柄、身体にお気をつけください。寒中、冬の景色も楽しみながらやがて来る春を待ちましょう。

平成26年 寒中
藤原 義光


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