進化するケータイ スマホ依存に要注意

 携帯電話が一般に普及しだしてからまだ20年とたたない。この間のごく短期間での進化は驚異的だ。スマートフォンは、「手で触るだけで画面が自在に転換し、拡大や縮小も造作もなく可能。使い切れないほどのアプリ(アプリケーション)機能を備える」と聞き、実物で操作を見せられても、画面をタッチするだけで動くその仕組みが全く理解し難い。情報機器とその機能の進化はまさに”爆発的進化”と形容するのがふさわしい。レア・アースと電子の性質を利用した驚くべき科学の力だ。
 そのスマートフォンについて、幽霊よりも恐ろしい幽霊話を聞いた。寝つきの悪い子どもを寝かせるときに、アプリで呼び出した幽霊が、「まだね〜な〜ぃ〜のぅ?じゃぁ、いま〜行くからねぇ!」と気味の悪い映像で声を出すのだ。実際の画面を見たが、その気色悪さといったらぞっとして吐き気がするほどだ。
 ケータイが出始めたころから、学校やPТAは正しい使い方の教育に苦心してきた。そして、もはや、中学・高校からケータイになじんだ世代が親世代になる時代だ。そのためか、アプリには子育てや幼児用のものが数多く設定されているという。ママさん方からは子育てアプリの充実を求める声はあっても、スマートフォンで子育てすることを不安視する意見はほとんどないとも聞いた。老婆心ながら精神発達上、大丈夫かと不安になる。
 「自動車の出現によって交通事故が発生するようになった。だからといって自動車のない社会には後戻りできない」と言われる。同様に、情報社会の最先端を行くスマートフォン(かしこい、かっこいい電話の意)も、賢く使いこなすことが必要になる。
 テレビやゲーム、ケータイの画面などのメディア漬けの脳は、脳や精神の正常な発達に悪影響があると、テレビゲームが出現したころから心配されてきた。今はそれに加えて、「ライン」とかでのメールやゲーム、その他の情報へのアクセスで、四六時中ケータイから手が離せなくなるスマホ依存(中毒)の問題が浮上してきた。スマホ依存(中毒)は学習時間が不足し、夜も遅くまで起きて使えば不眠や睡眠不足を来し、極端な場合は不登校や引きこもりの要因となるケースを生じるという。
 現在のように情報機器が高度に発達した社会は人類にとって未知の経験だ。メディア漬けが、人の脳活動や精神発達にも悪影響を及ぼしかねないとなれば、学校・地域・社会が状況を的確に把握し、乳幼児から児童、青少年にいたる各段階に応じて、過度な使い過ぎには警鐘を鳴らし、適正な使い方について注意喚起していくことが必要だ。
 また、高度なネット・コミュニケーションは有効に使いながらも、他方では、人と人がお互いの顔や身体をじかに見て、スキンシップを取り、相手の心を推察しながら対話する社会を再評価(再認識)することが求められる。
 これは「ちょっと昔の日本に戻る」ことでもある。それは、あまりにも市場原理、分業社会、効率第一主義、スピード重視などに偏ってしまったことで、田舎のしがらみや旧弊とともに一緒に捨て去った「昔のいいもの」を再評価することでもある。 国民の精神もちょっと前の社会に戻したい。あまりにも早い情報化の進展に戸惑いながら、こんなことを思案する。


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