でんどう

地域振興に関わる様々な方の意見、主張を掲載していきます。

地方創生の今日?~地域への愛着が必要だ

 新聞、テレビは「帰省ラッシュ」で帰省した者が、今度は「Uターン」がピークと報じる。
昔は、盆正月の帰省に「田舎に帰る」のがUターンとされたし、我々の仕事は「UIターン定住促進」だ。サケが生まれた川に帰るのもUターンだ。
マスコミ報道の「Uターン」は使い方に間違いはないが寂しい。いっそのこと「両成敗」で「帰省ラッシュ」、「帰宅ラッシュ」としたらどうか。ついでにいえば、「Iターン」は論理的にはおかしいが、ふるさと島根定住財団原理事長が「(都市から)行きたいところへターンする」と、うまい定義を作った。

 政府が大看板を掛けたものの、すぐに別の看板も掛けられ早や色落ちした観のある「地方創生」とは何なんだろう?
島根の定住関係者の間では、「地方創生に過度に期待したり煽られたりせずに、しっかりと地に足をつけて従来通りにやっていこう」と確認し合ったが、本気度のわからない政府の考え=流行に流されない不易な取り組みの継続が必要だと思う。

 かつて、竹下内閣は「ふるさと創生」をかかげ「自ら考え自ら行う地域づくり事業」(昭和63年)に各市町村一律1億円(全国では3300億円)の財源を措置した。
「ばらまき」と中央マスコミはこぞって批判したが、地方は自由に使える1億円はありがたかったし、地域を何とかしたいという思いでの議論が活発になった。
この事業の発想の元となったのは、地域での話し合いを基本理念においた通称「新島根方式」であり、「まちむら活性化補助金(後の住んで幸せしまねづくり事業(通称:3S事業))」だとされている。
島根県議会発議で「中山間地域活性化基本条例」が制定された時(平成11年)には、これと同じ発想で「集落100万円事業」を県内農山漁村約1,000集落で実施した。

 竹下さんには、「島根に生まれ、島根に育ち、やがて島根の土となる」というコトバがあり、生地・雲南市掛合町の「道の駅」に建立された銅像の台座に刻まれている。
ふるさと創生は、竹下さんに「やがて島根の土となる」というふるさとに対する熱い思いと決意があったからこそ効率性を重視する異論に抗して政策に取り入れられたと思っている。
現在の「地方創生」にかかわる中央、地方のリーダー達にも、竹下さんと同じくらいの地方(ふるさと)への愛着と気概、先見性を見せて欲しいものだ。リーダーには皆を奮い立たせ鼓舞するメッセージ力と政策形成能力が必要だ。

 竹下さんと並べるべき器ではないものの、我々“地域信仰教の門徒(地域振興に熱い思いを持つ者)”たちも熱い思いで、島根にこだわり島根と格闘してきた。

 その志を持ったまま島根の土となった者が何人もいる。
さだまさしの歌「かかし」が定住を呼ぶかける心情にぴったりだと、「知事からの手紙(平成18年3月)」への使用にこだわった男もその一人だ。
この門徒の心意気を紹介すれば、「予算とは自分の培ってきた価値観や感性が、露わになる場である。そのためには、常日頃から本を読み、人の話を聞き、酒を飲む。
誰もが、知事になったつもりで考え、議論しなければならない。県民は何を求め、県は何をすれば良いかを、常に頭のどこかに置いておく」。

 然り!組織や地域に必要なことは自由闊達な意見が許される風通しの良さであり、「明るく伸び伸びとした活力ある組織(地域)」だ。
「茶化す度胸に茶化される度量(別の門弟のコトバ)」が通用する文化でもある。やがて島根の土となるそれまでを、島根に愛着をもち、鬱陶しがられつつも「趣味は島根県!」を標榜して「おしゃれで凛」とした生き方でありたい。

トップへ戻る