でんどう

地域振興に関わる様々な方の意見、主張を掲載していきます。

地域間競争下での定住施策 市部への移住にも軸足

 ふるさと島根定住財団は、平成4年に設立され、今年で数え年20歳になります。

 業務は、逐次拡大され、今は、「(1)若者の県内定住の促進、(2)UIターンの促進、(3)地域の振興、活性化の支援」の3本の柱を軸に業務を行い、主たる事務所を松江テルサ3階に、いわみぷらっとに支所をおいています。

 県内外での就職フェアや登録した学生への就職情報の提供、ジョブ・カフェでの就職活動支援、UIターンの情報提供や無料職業紹介、産業体験の研修費助成、しまね田舎ツーリズムの推進、地域づくりやNPO活動支援などが具体的な内容です。「定住」というコトバによる取り組みは、当時県に置かれた「定住企画課」と、「ふるさと定住財団」によって島根の独擅場でした。いまでは、全国的な地域間競争の様相です。たとえば、北海道です。ある時点からの長期的な人口の減少の例を20%にとれば、島根では約15万人の減少です。北海道では、約100万人の減少です。島根の減少率は、限界集落ではもっと高く、その危機意識でいち早く定住対策に力を入れてきました。誤解をおそれずにいえば、島根の定住対策は、中山間地域対策に軸足をおいて進められてきました。これは、昭和45年の「過疎法」制定に島根が主導的な役割を果たした、過疎対策から続けられた政策の延長でもありました。平成11年の「中山間地域活性化基本条例」や、「集落振興100万円事業」もこうした政策の一環です。

 ふるさと定住財団もこの政策のなかで、平成8年に産業体験研修費助成を始め、全国から耳目を集めました。この事業は、現在までに農業者などで約1300人を対象にし、研修者本人で約600人、把握していない家族を含めればかなりの人の定住につながっています。一方では、ジョブ・カフェや無料職業紹介などの新しい業務を開始し、「都市定住施策」にも軸足をおきつつ現在に至っています。昨年度のUIターン職業紹介は、把握できている数で100件を越え、特に経験や技術を持っている人の例が光ります。

 先ほど、北海道を例に出したのは、同じ率でも母数が大きいほど実数は大きい事実です。島根県の人口と同程度の減少による地域への影響が予測されるからこそ北海道も移住定住に力が入っています。

 人口問題は、「率」とともに「実数」も念頭におく必要があります。そしてこれとの関連を含め、「都市定住」「都市への移住の受け入れ」を政策的に進めることが必要です。島根の都市の特性は、海でも山でも自然が身近にあり、歴史、文化が生活に生き、それを享受できることです。そして、等身大の街です。この魅力を最大にアピールしたいものです。

 人口政策は、働く場をつくる産業政策を基本とし、福祉、教育、文化、都市政策などの総合的な推進にあります。

 島根定住財団では、中山間地域とともに、「都市」への移住、交流にも皆様の力を得ながら取り組んでまいります。

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