でんどう

地域振興に関わる様々な方の意見、主張を掲載していきます。

隠岐は絵の島 教育の島

久しぶりに隠岐の青い海と蒼い島並を見ながら、「やっぱり海と島は美しい」と、初任地だった50年近く前を邂逅し素直な気持ちになった。まだ何に向けるとも定まらない漠然とした志と正義感を持つ純真で青い頃だった。その最初の勤務地での「隠岐島をどう振興するか」が、今思えば「現場主義」の原点だった。「現場主義」は、現場に出向き地域の人と思いや課題を共有し、「前傾姿勢」で戦略、戦術を考え果敢に挑戦することだ。

島外からも生徒を募集して島前高校の存続を図る「高校魅力化プロジェクト」などの海士町の挑戦はまさにその好例だ。「ないものはない」と、「ないもの」には固執せず、「ないものは作ればいい」と挑戦する。その明快な論理と心意気を小気味よく「ないものはない」と表現(デザイン)した。海士町の交流会は「気合いだ!気合いだ!」の連発で締められる。この“海士方言”を「地域信仰教」の教義(精神)に翻訳すると「前傾姿勢」だ。

「地域信仰教」とは、地域を何とかしたいという熱い思いと篤い志、気迫・気概で、それは宗教心に通じ、島根県の地域振興を貫く精神だ。現場の思い、志に寄り添いながら議論し、地域と共に出口を探すことであり、“あがくこと”でもある。そこには当然議論や葛藤があり、地域の思いや願望が必ずしも実現可能で正しいことは意味しない。

しかし、地域信仰教の門徒は、机に向かって法や通達を読み、それの精通者になって、小利口に対応する“したり顔”な小役人ではいけない。

今回海士町を訪ねた目的は、島前高校魅力化10周年事業への参加で、初日は全校生徒と全教員が参加する「夢探究(未来会議)~今後の島前高校を考える」が、2日目は、「島の教育“未来”会議」があった。「成功事例ではなく挑戦事例だ」とする島前高校魅力化に関心を持ち心意気を共有する全国からの参加者があった。著名な大物ゲストや国の役職員、「東京しまことアカデミー」が契機で島根県の教員となり、念願の島前高校勤務となった人らも参加した。地域学(地域と連携して主体的に地域を学び、地域から学ぶアクティブラーニング)を魅力とする留学は島前高校発で、その後島根県の中山間地域の高校に広げて、今では「財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム(松江市に事務所)」が全国展開を推進している。そこでの目標は「グローカル人財の育成」で、「志を果たしに いつの日にか帰らん(唱歌「ふるさと」の替え歌)」だ。

“友は類をもって集まり”時代の最先端の動きが離島海士では今も継続進化している。この動きに熱烈なエールを送る。(諒)

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