でんどう

地域振興に関わる様々な方の意見、主張を掲載していきます。

リーダーの条件~人を奮い立たす熱意が第一

今年は、日大アメリカンフットボール監督に始まり、レスリングのコーチ、サッカーの世界大会の采配、大相撲の親方などスポーツの監督や指導者についてのニュースが大きく報じられ、そのたびにリーダーとして望ましい監督像などが議論された。

近頃評価の高い監督像は、勝つ指導に長けた「厳しい監督」ではなく、選手が自由に話せる「兄貴タイプ」だとされるが、会社や団体などの組織運営方針は「明るく生き生きとした活力ある組織」だと思ってきたからスポーツもそうだろうと頷く。

「地域信仰教」とは、地域を何とかしたいという熱い思いと篤い志、気迫・気概で、それは宗教心に通じ、島根県の地域振興を貫く精神だ。現場の思い、志に寄り添いながら議論し、地域と共に出口を探すことであり、“あがくこと”でもある。そこには当然議論や葛藤があり、地域の思いや願望が必ずしも実現可能で正しいことは意味しない。

さて、来春は、選挙年齢が18歳に引き下げられて最初の統一地方選挙だ。山陰両県でも知事、県議会議員選挙が行なわれるが、誰をリーダーに選ぶかによって世の中(地域の生活や教育のあり方)が実際に動くから、生徒会の選挙とは違って選挙権には社会的責任が伴う。そこで「世のなか学」として選びたいリーダー像を考えてみたい。もちろんスポーツの監督とは違うが共通点もある。

まず一番に挙げたいのは、人を奮い立たす「熱意」だ。地域を何とかしたという「熱意」でもある。積極果敢な突破力(パワー)や情報発信力も熱意から生まれる。松下電器産業(現パナソニック)創業者松下幸之助さんの言葉「経営者の条件を一つだけあげれば熱意。人より絶対劣ってはならないもの、それが熱意だ。学問や知識は負けてもいい。一般論をいえばあまり利口すぎないほうがいい」に強く共鳴する。知識や知恵は他人から借りられるが、熱意や感性は借りられない。あまり利口ぶっては人心が離れる。

次に「理にして温」。「理」は知見、識見で冷静に情況や先を読む洞察力、「温」は熱意を秘めた温厚さ(温かみ)で、どちらも必要だが、「理」が勝ったスキのない過度な管理統制型や、細かいホウレンソウを要求するタイプでは組織が息苦しくなり、職員が委縮してリーダーや上司の顔色ばかり窺う病弊した組織となる。人には感情があることを理解し、「温」に軸足を置く鷹揚な人情家がいい。

3番目に、人財を見極め登用する能力だ。公平公正に人を見、私心を封印して地域ファーストで適材適所の人を配置する能力だ。これは意外に難しいから「能力」だ。

4番目に「人望」だ。よく「リーダーにはトップダウンが必要」と言われるが、そうとばかりは言えない。人財を上手(じょうず)に使う「ボトムアップ」で、下からの説明(企画や考え)をよく聞き組織にやる気が出せれば人望は得られる。

5番目。豪雨や大地震、予期しない非常時などに、うろたえない冷静さや胆力などの危機対応能力だ。好例は、福島原発事故当時の所長吉田昌郎さんだ。新聞で読むと「この人となら戦える、と結束した。彼なしにあの難局は乗り越えられなかった(現場№2だった方の述懐)」とあり、原発現場と本社や官邸との緊迫したやり取りの記録では、吉田さんの冷静で覚悟を決めた判断が、もっと悲惨になったかもしれない事態を回避できたことがわかる。

6番目は、「ユーモアと茶目っ気」だ。気さくな人柄でフットワークよく、「現場主義」で各地に出向いて、いろいろな人と話をすれば相互に思わぬ知恵が湧いてくる。「フットワーク」で「ネットワーク」も「チームワーク」もできて来る。「遊び心」は組織がきしみなく動く潤滑油だ。「下品」はいけないが「上品」よりも「品が悪くない」くらいでいい。

選挙はリーダーを有権者が投票で選ぶところにその本質がある。しかし近年、国政も地方政治も政党が選定した候補でないと勝ち目がないから、実質的には政党が選定した候補の中からリーダーが決定される。初めて選挙する若い有権者にもわかりやすい選考で「県民に元気が出る、突破力のある候補者」が選ばれることを期待し注目したい。

(表題は原案で、寄稿では「リーダーの条件~人を奮い立たせる熱意」となっている)

トップへ戻る