でんどう

地域振興に関わる様々な方の意見、主張を掲載していきます。

クールジャパンか?フールジャパンか?

 リオのオリンピック閉会式での次期開催国日本のプレゼンテーションはいかにもクールジャパンを表現したものだと世界的にも好評だったという。確かに、東京を出発した安倍首相がドラエモンの掘ったトンネルをくぐり抜けて地球の反対側のリオの会場に、スーパーマリオの衣装で飛ぶ出すシーンは、アニメーションと実演のコラボレーションで赤い帽子が印象的だった。不景気の長いトンネルもこのドラエモンのマジックで抜け出せたらどんなにかいいだろう。

 「クールジャパン(かっこいい日本)」がマンガやゲーム、そのキャラクターの衣装や少女音楽グループのステージなどを指し、スーパーマリオやポケモンGоもこの典型で、世界中で人気が高まっているという。日本の経済・文化への関心を呼ぶ要因や来日の動機となり、経済効果に結びついているから無視や冷視はできない。

 スマートフォンでのゲームなどが、不惑の年代(40歳)まで相当浸透しているようだ。私ら団塊の世代も、マンガは手塚治虫の「火の鳥」や、ちばてつやの「明日のジョー」などを愛読した。しかし、それに精神を丸ごと預けることはなく硬い本も読んだ。 「クール」が「冷たい」のほかに「賢い、かっこいい」を意味することは3年前に初めて知ったが、「漫画やゲームがクール」とは皮肉というべきか逆説的というべきか。

 このアニメ、ゲームなどの延長に着ぐるみもあり、「くまモン」などが人気を得て経済効果も上がり、「しまねっこ」もかなりの上位だという。

 この社会現象は格別困ることはないと思えるが、へそ曲がりの私には気に食わない。
 それは社会全体が幼児化(幼稚化)してきたことの表れでないか?
 社会の幼児化(幼稚化)は甘えや自立不全の風潮を蔓延させている。

 いつまでも大人になれず子どものような甘えた精神のままでは自立が伴わないから、ストレス耐性が弱く、集中力や忍耐力、持続力も乏しく、ジコチュウの要因にもなっている。自分が幼児のような精神だから、ちょっとしたストレスで職場をすぐに辞めるし、思いどおりにならぬと、だだをこねるが如くにすぐにキレる。極端な場合には社会を不安に陥れる問題行動や子の虐待も起こす。

 思慮分別といえば古臭いが、「自己の感情のままふるまうのではなく、自己コントロールができろ。社会や情況を見極めてその言動が生起する結果に対する想像力を働かせる。他人を慮ることができる」のが自立した人格の要件だ。


 これは「子どものこころ」を卒業せよということではない。司馬遼太郎の「子どものこころ」から引用すると、「いつまでも失ってはならないものは子どものこころだ。しかし、子どものこころと甘えは違う。むしろ子どものこころが干からびてしまうと他人(ひと)に対する心づかいや思いやりに欠けた言動となる」。ここのところの按配がむずかしい。

 はてさて、この道が向う行先はクール・ジャパンか?フール・ジャパンか?(諒)

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