でんどう

地域振興に関わる様々な方の意見、主張を掲載していきます。

公民館の底力

 「公民館は千手観音だ」。
島根県公民館連絡協議会(県公連)の館長たちと意見交換を重ねて行きついた印象がこの一言だ。千手観音の「千手」は衆生の一人でも多くを救おうとする意思を表わし、観音さまのなかでも特異な姿の菩薩像だ。


 公民館は地域のなかでさまざまな活動を展開し、また様々な活動の拠点となっている。例をあげれば、文化講演会の開催や福祉サービス、防犯・防災など地域コミュニティーの拠点機能に加えて、まちづくり活動の事務局を担ったりもする。
子ども会や放課後児童クラブ、老人会などさまざまな活動の会場でもある。県内小中学校の全校で実施しているふるさと教育は、ふるさとの自然体験や年中行事、地域の人との交流などの原体験を通じてふるさとに愛着と誇りを持たせることがねらいだが、これにも大きな役割を担っている。


 こうした幅広い地域活動を、衆生を救わんとする千手観音の姿になぞらえた。
 この活動の背中を少し押せばさらに勢いが増すのではないかと県公連と協議して始めたのが「実証!地域力醸成プログラム」である。
これは県公連が開催する審査会で地域公民館の事業計画の提案発表を審査して採択された公民館が県予算の助成を得て2か年の事業を実施するもので、2007年から7年間で128館の事業が実施された。

 各公民館では予想を上回る多様で活発な活動が展開されたことで、島根県の公民館活動は全国的に注目され、今では“島根方式”が文部科学省によって全国展開されるところとなった。

 県内には約320の公民館がある。名前は公民館のほか「地域交流センター」が多く使われており、施設の規模や行政との距離、職員の配置状況、機能などはさまざまだ。


 先日、機会を得て安来市と飯南町の公民館(交流センター)の実践活動発表会に参加した。両市町とも地域力醸成の採択館のほかに3年前から市町の予算で活動支援をしてきており、当日は両市町ともその5~6館の事例発表があった。中には壁新聞のような大きな説明資料を20枚ほども壁に張って紙芝居形式の発表といった力の入った館もあった。


発表した各公民館に共通するのは、
①地域内の話し合いと活動を通じてコニュニティーが活性化した
②拠点機能がパワーアップするに従いさらに拠点の意義が高まった
③伝統行事や年中行事の復活など地域活動を楽しもうという機運が高まってきた
ことなどが挙げられる。古民家をシルバーのたまり場にして毎週食事を原価で提供したり、集落営農の事務局を担うなど地域内経済(循環)に関わっているところもあった。


 このように過疎高齢化の状況にあっても、明るく生き生きと活発な活動が展開されている公民館活動だが、今年度から実施される第4次「島根県中山間地域活性化計画」では、「小さな拠点づくり」の「拠点」としてさらに強力なパワーアップが計画されている。


 地域の底力である公民館活動のより一層の進化に期待が高まる。期待に違わず活動が活発に展開されることを願ってやまない。いいぞ!がんばれ!公民館。

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