でんどう

地域振興に関わる様々な方の意見、主張を掲載していきます。

地域振興は「地域信仰」だ/「参加」することで地域を支援しよう

「地域振興」は「地域信仰」だ!
最初はジョークで言い始めた「地域信仰」だが、次第に本気度が強まってきた。地域振興には、地域の伝統や歴史文化、生業(なりわい)など地域の総体、いわば“ごめた”に対する揺るぎない愛着と、地域を良くしようとする強い信念が求められる。

 まさに宗教の信仰心に類似する。そこで、地域振興に関わる理念を「地域信仰教」の「教義」ということにした。地域振興(信仰)の理念(教義)のいくつかを紹介する。

 まずは、自然の「生命」と、自然を育み加工する「生産」、それをいただく「生活」の三つの「生」が良好な関係にある「地方」こそが、人間が棲(す)むには最も自然で好ましい場所だという点だ。

 三つの「生」の良好な関係は、地方にはまだ残っているが、都市文化が失ったものだ。毎日の生活は自然の生命をいただくことで成りたっている。可能ならば、自らが生産した食物をいただく生活が理想だ。

 島根県が進める「半農半X」は支援制度開始から6年目になる。「半農半工芸」「半農半IТ」などが可能だ。半農半Xによる地方定住は、島根が先進的に進める新しいライフスタイルで、どんどん広がって欲しいと願っている。

 「半農半X」は、個人のライフスタイルに止まらず、地域経営や会社経営にも応用が可能だ。大規模な産業を地域で創出することが難しい中にあっては、できるだけ地域内でお金や経済を循環させる「食料、エネルギーなどの地産地消」が必要になる。地域での営農と、福祉、輸送サービス、小売りなどの「X」を「複業」させる地域経営である。

 これは県中山間地域研究センターの藤山浩さんが提唱する「小さな拠点」の担い手となるものだ。同研究センターの有田昭一郎さんは、地域での消費支出を克明に分析して、地域内で買い物すると意外に大きなお金が地域内循環する可能性をデータで示した。これもいわば地域信仰教の考え方だ。同じ考えで提唱したいフレーズに「参加することで地域を支援しよう」がある。

 「参加」することがどうして「地域支援」か。いくつかの例を引く。

 (1)少しは値段が高いけれどできるだけ地産地消や有機野菜の購入を心掛ける

 (2)舞台芸術の公演、文化講演会、美術館、博物館などにできるだけ出掛ける

 (3)各地の伝統行事、田舎ツーリズムなどに興味を持ち、地域とのふれ合いを楽しみに出掛ける

 (4)「日本酒で乾杯」を実行することでの米の消費や地域経済に対するささやかな支援

 (5)「旬の地域食材の購入」による地域の食文化の継承

-などが例に挙げられる。


 これらは、いずれも個人的な趣味にかかわり、金銭と手間が伴うので、能天気に推進の旗を振ることには無理がある。
 しかし、金銭や手間が伴っても参加する「支援者」がいなければ成立しない地域活動だ。農業を志してU・Iターンしてきた若い農業者の安定した農業経営には、安定した販路すなわち顧客が必須である。

  舞台芸術や音楽公演は収支計画なしには企画できない。入場者がいくら見込めるかが実施の可否を左右する。

 食品は、買って食べる顧客がいるから商品として生産販売され、地域の食文化が存続する。この冬は、中海の養殖赤貝が関係者の研鑽(けんさん)と努力で昨年以上の水揚げとのうれしい情報だ。今から口にする日が待ち遠しい。

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