でんどう

地域振興に関わる様々な方の意見、主張を掲載していきます。

“○○らしい”ふるまいが欲しい

 「○○らしい」と「○○らしくない」という表現(評価)がある。「芸術家らしい」とか「公務員らしくない」とかの使い方だ。「らしくない」は”品性がない”とはちょっと違う。”やるべきことをやってない”とも違う。果たすべきことはしっかり果たしながらも、外殻(外見)はそれを感じさせないで、「クールヘッド」の堅苦しさよりも、浪花節が通じる「ウォームハート」を備えた人物が「らしくない」タイプだ。
しかし、最近、その「らしくない」に重きをおく価値観にゆらぎが生じた。
 世評や毎日報道されるニュースを見れば、親の養育放棄や虐待は「親らしくない」し、振られたからと殺人にまでいってしまうストーカーは「男らしくない」。チャレンジ精神が弱い若者は「若者らしくない」。分別が備わってよさそうな年寄りは近頃「人格者らしくない」。
 中でも、最も憤慨する「○○らしくない」は政治家や某マスコミ・トップの自覚に欠ける言動だ。
 テレビが映す国会中継は、マイクを用意し自席で発言すればいいものを、長時間拘束された閣僚が、一言ごとにマイクの前に進み、立ったり座ったりでダラダラと繰り返される冗漫なやりとりだ。言論の府、国権の最高機関というが「国会らしくない」し、「情報社会らしくない」。
 昔の大学や大学教授は社会に対し鋭く発言し強い影響力があり、社会も傾聴したが、最近はそれもあまりなく「大学らしくない」。
 今の日本はさまざまな国難に直面している。「日本の時代は終わった」かのような経済の低迷と財政逼迫(ひっぱく)。少子高齢化による税や保険料負担者(勤労者)の減少と、医療、介護費の増加、介護難民や孤独死。非正規労働者の割合が40%に迫る現状、それも原因での未婚・晩婚化や社会的な格差の拡大。震災復興、原発問題を抱えての東京オリンピック開催。改善の兆しさえ見えない冷えた日中、日韓関係。
 南海や東海地震の予測では甚大な被害を想定しながらも、行政機能を太平洋側の州都に集中させる愚策の道州制もしかり(1千兆円の借金を抱えながら毎年度40兆~50兆円の借り入れで予算を組む現状だが、州政府になれば自主財源が増え集中投資が可能というのは虚言だ)。
 「県」は単なる行政統治機構ではなく「生活文化全般に根付いた枠組み(範囲)」だ。州都から遠い周辺部は10年とたたずに廃れ、我が国の「日本らしさ」が喪失する。だからこそ、全国町村会などはこれを憂え、地方では根強い反対がある。
 「国難、国家の窮状」を憂える者はすべからく「○○らしく」ふるまい、傍観者的な批判ではなく建設的な言動(実践)をすべきだと思う(情報社会に進化した今は方法がいろいろとある。選挙だけが民意の表現ではない)。
 そして、科学・技術などの進歩は利用・享受しつつ、社会の悪弊は排除し、良俗としての「○○らしさ」はしっかり残すことが大事だ。
 余談だが、異常気象続きで四季の気候も「○○らしさ」が変わってきたし、野菜も本来の味が失われ「○○らしさ」がなくなった。(諒)

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