でんどう

地域振興に関わる様々な方の意見、主張を掲載していきます。

平成25年度財団運営方針(理事長所信)

 昨年9月に開催した財団設立20周年記念フォーラムでは、財団に課せられた3つの使命である、「①若者を中心とした県内就職支援、②県外からのUIターンの促進、③活力と魅力ある地域づくりの促進」の3つを着実に前進させることをあらためて肝に銘じたところであります。
 そして、そのためには、財団の事業や体制を、十年一日の如くに漫然と続けることを良しとせず、時代の情況や要請にあわせて、進取の気概を持って変革していかなければならないと考えております。
 ICТの進展は、まさに日進月歩です。若者を主たる対象とする財団の業務を鑑みれば、そうした情報手段に的確に対応すること、情報の管理利用体制を整備していくことも必要であります。

 県人口は、毎年5000人減少しています。県民総支出を単純化し、大雑把にみれば、市場が毎年50億円ずつ縮小することになります。
(一人1000千円×5000人)
 景気の長期低迷、国家財政、地方財政の危機的状況は、当面改善の兆しが見えない中にあって、「坐して死を待つ」、「何もしない無駄」をするのではなく、積極果敢に攻めの仕事をしたいと期しています。

 こうした思いから、いくつかの点について平成25年度から新規に着手、若しくは変更いたします。
 以下、その主要な点について申します。

①職業紹介業務の拡充であります。
 近年、誘致企業が進出決定や操業開始に先立って、事業開始スタッフを当財団の職業紹介に求めるケースが目立ってきました。また、IТ関係や福祉関係、理工系人材の求人が充足されていない状況が続いています。
UIターンの求職者は、3・11大震災以降、特に20~30代で増加傾向にあります。
また、ジョブカフェの窓口には様々な若者が相談に来所します。
この相談に併せてジョブカフェでも職業紹介ができることが望ましいと考え、検討を進めてきましたが、このほど関係機関の承認が得られましたので、従来の「UIターン者」に加え「ジョブカフェ事業での相談来所者」に利用者範囲を拡大します。
石見事務所での職業紹介の業務内容の拡充などにも努め、一人でも多くの職業紹介の成果があがるよう、ひいては定住の成果があがるよう取り組みを進めます。
 また、これに併せ、ジョブカフェでの相談と職業紹介をつなぐ中間的な取り組みとして、短期間の企業での研修費用を支援する「企業就業体験支援事業」を新たに実施します。

②これとも関連しますが、ジョブカフェ事業に従事するアドバイザーについてであります。
 新たに、本所、石見事務所に各1名の県立高校教員ОBを雇用します。
これにより、高校での進路指導に携わり、生徒の相談やアドバイスに経験豊富な職員を配置できるので、より一層きめ細かなアドバイスが行われることを期待するとともに、高校や教育委員会との連携を一層強め、中学、高校での「働くことを学ぶ教育」や学生登録の強化を図ってまいります。

③UIターンの促進についてであります
 当財団の看板事業である産業体験支援事業については、従来、実家にUターンした者については対象としていません。事業開始当初の支援費の考えが研修中に最低限必要とする経費として主に食費を念頭に50千円と設定したことによります。H23年度から、月120千円としたことから研修費の概念に「食費プラスアルファ」の要素が入ったこと、ビジネスコンテストなどでの事業採択で実家Uターンでの支援が必要なケースが現に生じたこと、より一層人口定住施策を強化する必要があることから、「体験研修として認定した研修」については、実家Uターンについても新たに制度の対象とし、月額60千円としました。より多くのUIターンにつながるものと期待しています。

④地域づくり支援補助金について、従来ステップ事業、ジャンプ事業、社会貢献活動支援事業の区分で実施してきました。
今回、できるだけ弾力的で柔軟な支援ができるようメニューの統合・整理を行ない一元化しました。
 また、事業採択までの事前相談や、これまで支援してきた事業、これから支援する事業の運営相談、経営指導に力を入れ、より事業成果があがるよう努めます。
 この経営指導や経営診断が実施できる体制を強化するため、中小企業経営診断士資格を持った商工関係団体のОBを新たに職員として採用します。

⑤定住財団の事業はいずれも市町村や各地域との密接な提携、連携があってこそ、事業の円滑な実施が図れるものであります。
 そのためには、地域や市町村との人のネットワークが不可欠であり、クールで機械的な事務処理だけでは心のかよう関係の維持構築は難しいと考えています。
職員一人ひとりが人脈を培うのはもとより組織として共有していくことも重要であります。
これまでも、各研修会の後の交流会や石見事務所での「6時からセミナー」、UIターンした方との意見交換会などを実施したり、職員には積極的に各地域でのイベントや祭事に参加することを推奨してきました。
 このたび、こうした課題意識から、石見事務所の業務を総合的に、よりパワーアップするため浜田市役所ОBを人材として得ました。これにより、特に県政の諸課題がより顕著である石見地域における活動の強化につながるものと期待しております。
なお、これまで述べたそれぞれの職員配置については、いずれも現行の定数の中で行なったものであり、定数増はありません。 

⑥地域づくりについては、あらたに「参加することで地域を支援しよう」をスローガンとして提唱したいと考えています。
「参加する」とはNPО活動であったり、地域の文化活動であったり、地産地消や有機野菜の購入であったりと様々なことがあげられます。
 人口も、経済活動も縮小傾向にある中で、これからの地域づくりを進めるにあたっては、地域内の経済循環や地域エネルギーに気配りをすることなど、地域に居住する者自らが地域で出来ることを実践していくことが重要となってまいります。前述のリニューアルした地域活動支援補助金やNPО研修会などの既定の事業を活用しながら、こうした啓発と実践を進めてまいります。

⑦県庁との連携の強化であります。
 言うまでもなく、これまでも県地域振興部、商工労働部、農林水産部、環境生活部、教育委員会の直接的な関係部局はもとより、全ての部局との連携に努めてまいりました。
 このたび、その連携をさらに密にし、将来に向けた布石とするため、職員を地域振興部しまね暮らし推進課に派遣します。当該課は県政全体の総合調整を担っており、期待する成果に結び付くものと考えています。

以上、平成25年度から新たに取り組む事項、変更や拡充した事項について申しあげました。もとより、定住財団の事業はこうした新規や変更した事業のみを主たる事業としているわけではありません。
財団の事業3本柱にそって申せば、若者の就職支援のための就職フェア、学生登録、UIターンのための県外での相談会やアドバイス、職業紹介の求職受付、地域づくりやNPO支援のための研修や講演会、しまね田舎ツーリズムの推進などの様々な活動を着実に行っていくことが基本であります。
 職員誰もが、「人口定住の促進が財団の使命である」と心得、日々の業務は、それを進めるための取り組みの一つであり、各事業は自己完結的にではなく、相互に関連性を持たせて実行することで全体の成果があがることを意識し、地に足をつけた不断の活動を行ってまいります。

 最後になりますが、財団の事業はその大半が県民の皆様から負託を受けた県の予算で執行しております。公益法人としての自覚と使命を常に持ち、県民の負託に応えてまいりたいと考えております。
引き続き、各位にあっては、ふるさと島根定住財団に格別のご支援とご協力をいただきますようお願いいたします。

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