でんどう

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転換期の不易と流行

 世の中の様々な「もの」や「こと」が転換期にあることは、皆が感じている。
 その転換期にあるものの一つに生活文化(なかでも冠婚葬祭)があげられる。世代交代によって価値観や認識の変化が起きている。
 例えば結婚式の仲人はいないのが大勢となった。正月や村の祭りには一頃の賑わいが見られなくなった。葬儀や法要のあり方も社会習慣重視にとらわれず自らの考えで行うことも増えてきた。
 伝統文化や、民俗行事などについてはどうか。
 古来連綿と受け継がれている伝統行事が県内には沢山ある。美保神社の青柴垣神事、諸手船神事や、先般ユネスコ無形文化遺産に登録された佐太神社の佐太神能、隠岐国分寺蓮華会舞、江津市桜江の大元神楽などがその例だ。残すべき歴史文化、伝統行事の継承には地域の強固な認識の共有やパワー、エネルギーが必要だと想像し、敬意を払う。
 4月21日、第8回出雲國神仏霊場合同祭事世界平和祈願祭が今年の祭場である佐太神社で行われた。神職は神職の装束で、僧侶は僧衣で臨み、例年に増して多い参列者のもとで、佐太神社で神仏分離が行われた寛文年間以来約350年ぶりに般若心経の声明が響いた。
 日本に仏教が渡来し、古神道との神仏習合とその後の神仏分離。そして平成の神仏霊場合同祭事をおこなうに至った「社寺縁座の会」。
 平和祈願祭の趣意書には“混迷の時代に、「ご縁」と「和」の心を大切にする出雲の地から、宗教や宗派を超えて世界平和と人々の安寧を祈ります”とある。
 「神々の國・出雲(鳥取の大神山神社、大山寺も参加)」での宗教、宗派を超えた全国初の取り組みが、日本古来の自然観である自然・万物に神仏を感じ、自然を敬い他者を敬う心を再認識する活動として、今日の混迷する世界にあっての道標となるものと大いに評価している。
 こうした考えや活動にとっても、大変意義深く関連のある別の動きがある。
 仏教、インド哲学の厖大な研究成果で著名な中村元先生の生誕100年の今年、約3万冊の蔵書をもとにした記念文庫の設置が生誕地である松江市に計画されている。その中村先生が核心とされた仏教(ブッダ)の真髄の言葉は「慈悲の心(慈しみの心)」であり、「一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ」だという。
 伝統文化や生活文化も、時代が変わろうと不易の「こと」としてそのまま維持継承すべきもの、根本は変えずして社会の変化に対応進化させるもの、因習や悪弊の部分を打破したり改善または改良すべきものなど様々だ。
 さあ、あなたの世代はどう考え、どう行動しますか?

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