馬潟工業有限会社の求人情報

現代の職人魂が息づく“ものづくり企業”で、地域と世界に貢献する仕事をしてみませんか?

金属加工業(島根県 松江市)

ゆったりと流れる大橋川のたもと、釣り好きにはたまらない絶好のポイントがあるというこの場所に、航空宇宙産業へと挑む超実力派金属加工業、馬潟工業有限会社(以下、馬潟工業)があります。時代の流れに乗りながら成長を続けてきた馬潟工業の、お仕事にかける想いと現代の職人魂を伺いました。

馬潟工業のルーツは1942年創業、船舶やディーゼルエンジンの製造を行っていた石橋鉄工所から始まります。なんと、戦時中は国からの依頼で魚雷の製造を行っていた歴史もあるそう。「地域と世界に貢献する」を企業のテーマに掲げる馬潟工業は、事業のみならず地域活動にも積極的に取り組み、日本三大船神事の一つ「ホーランエンヤ」では、この船神事に尽力した亡き先代社長の松尾衛尚さんの意思を継ぎ、代表取締役社長の松尾和夫さんが栄えある一番船に立ち、陣頭指揮をとりました。

伝統や受け継がれた想いを大切にしながらも、最先端技術を導入し、飛躍を続ける馬潟工業。その歴史には、一体どのようなドラマがあったのでしょうか?松尾社長に会社が辿ったこれまでの軌跡と受け継がれた想いを教えていただきました。

戦後は農機具やポンポン船のエンジン、金属加工などを行っていました。先代社長である父が会社を大きくした一方で、時代の変化と共に船舶の製造が少なくなったので、その業務を主に行っていた本社の方を閉めて、1975年に馬潟工業として独立しました。

松尾社長は大学卒業後に他業種で営業職を経験した後、Uターンで地元島根に帰ってきたそう。入社時には全くの未経験で、一から機械加工を学び苦労したご経験を教えてくれました。2017年に社長業を引き継ぎ、新しい工場を建てて馬潟工業の更なる飛躍の足掛かりを作った背景には、松尾社長のどのような想いがあったのでしょうか。

2年前に建てた新しい工場には、雇用した若い人たちが将来食べていける飯のタネになれば…という想いから、近隣の企業には無い大型の機械を導入しました。それが大手重工メーカーのIHIさんの求めておられたもので、そこから奇跡的な繋がりができて航空機産業に参入するきっかけになりました。

馬潟工業躍進のきっかけとなる航空機産業への参入は、松尾社長の従業員を想う熱い気持ちから生まれたドラマでした。それは先代社長から引き継がれた「従業員は家族である」という社訓が、確かに継承されているのを物語っているようでした。

業種的には製造業に分類される馬潟工業。その高い技術力でいったいどのような製品を製造しているのでしょうか。松尾社長に詳しい仕事内容を伺いました。

一般的には“機械加工をしている会社”と言うと分かりやすいと思います。その中でもうちは難削材と呼ばれる加工が難しい金属が得意なので、お客様から「この素材を使って、この形状にして…」という細かい指示を受けて加工を行っています。

まず原材料となる金属を作る素材メーカーがあり、そこから機械加工の会社に仕事の依頼が来るそう。馬潟工業はその技術力を買われ、難削材を製造する素材メーカーからお仕事の依頼が来ています。

馬潟工業で加工しているのは、航空機や発電所の部品の他、電子デバイスや液晶モニター、車関係の部品、工業用製品の金型など多岐にわたりますが、どれも特殊なものばかりです。そのため、使用中に破断することが無いよう、部品によって非常に硬い金属を使ったり、強い粘りがある金属を使ったり、そういう使い分けが必要なのだと松尾社長が教えてくれました。我々が日々恩恵に預かっている工業製品は、馬潟工業のような技術ある企業によって加工され、『品質』のバトンが繋がっています。

続いて、馬潟工業ではどのように金属を加工しているのか、具体的なお話を伺いました。

様々なご要望に応えられるよう、工場には沢山の機械を用意していて、加工内容に合わせて使い分けます。代表的なものは汎用旋盤、帯鋸盤、マシニングセンターという機械です。汎用旋盤は、手動の鉛筆削りのように刃を固定して金属の方を回転させて削ります。帯鋸盤は素材を切断するもので、マシニングセンターは素材を固定して刃の方が動きます。

さらりと説明する松尾社長ですが、どれも専門的で、工場には驚くほど大きな機械がたくさん並んでいます。様々な種類の加工がありますが、馬潟工業では長尺品の加工が最も得意なのだそう。広く手を出すのではなく、専門分野に特化して技術力を磨いてきたことが、馬潟工業躍進の秘密なのかもしれません。

Q.機械の操作に技術や経験は必要なのでしょうか?

技術が必要なものもあれば、操作を覚えればできるものもあります。先ほど紹介した汎用旋盤は職人の経験と技術が無ければ扱うのが難しいですね。最近の機械は安全のためにカバーが付いていることが多いんですが、この機械はオープンなんですよ。なので金属の切粉を見たり、時には手を触れて加工状況を確認しながら調整することができます。

ただ、最近は職人の技を継承していくことが難しくなってきています。なので学べば扱える機械制御のタイプも積極的に取り入れています。まずはそういう機械で経験を積んで、徐々に扱える武器を増やしていってもらえたらと思っています。

技術を守りつつ新しいものも取り入れていく松尾社長の経営手腕と、従業員の皆様の技術力が合わさって成長を続ける馬潟工業ですが、実はもう一つ、「黒皮素材からの荒加工」という高い技術力があるからこそできる得意分野があります。

黒皮素材というのは、鋼材の表面に黒色の酸化鉄が付いたままの状態のことで、馬潟工業では、この表面を削り、綺麗な状態にする一次加工をしています。しかし、この黒皮素材は非常に硬く、すぐに刃物が負けてしまうそう。馬潟工業で扱うのは特殊鋼なので、その難易度はさらに上がります。一体どのように加工するのでしょうか?

素材を回転させるスピード、使う刃物の選定、刃の動かし方、全てが噛み合わなければできない加工です。この見極めが職人の技であり、各企業が持つノウハウですね。機械加工の中でも、かなり特殊な技術になります。

高い技術力を誇る馬潟工業ですが、実は異業種からの転職など、未経験から仕事を始めた方が多いのだとか。松尾社長に採用や研修についてお話を伺いました。

最近は社外で研修を受けてもらい、機械加工とはどんなものなのか、基礎を身に付けていただいてます。入社のタイミングで変わることもありますが、ビジネスサポートひかわ、ポリテクセンター、産業振興財団や機械メーカー主催の研修、場合によっては通信教育などを受けてもらっています。

馬潟工業では約1年間、このような研修を受けながら先輩のサポートに入り研修をしていきます。これは、同じく未経験で会社に入った松尾社長が、ご自身の苦労から整えた制度だそう。

うちで扱うのは機械も素材も特殊な物なので、どんな学歴や経歴の方でも大半は一から学ばなければなりません。なので、「ものづくりが好き」という気持ちさえあれば、未経験でも大丈夫です。今活躍している従業員の中には、ケーキ屋さんだった人もいるくらいです。ものづくりが好きという真剣な想いがある方にぜひ来ていただきたいと思っています。

高い技術力を誇り、世界に羽ばたく職人集団である馬潟工業。ここには、皆が一から学び、共に成長していける環境がありました。

続いて、総務部主任の安達智幸さんに指導者のお立場で研修やサポート体制、キャリアアップなどについて具体的なお話を伺いました。馬潟工業から研修に行くビジネスサポートひかわは島根県職業認定訓練校で、座学以外に実習もカリキュラムもあります。旋盤やNCというプログラミングして動かすタイプの機械も実際に操作して学べるので、全くの未経験でも安心してお仕事が始められます。

Q.職業訓練校での研修を取り入れてから、現場ではどのような変化がありましたか?

会社で一から教えると教育者によって落とし込み具合に差が出てしまいます。職業訓練校で学んでもらうことによって、実技、知識共に全員に同じレベルの教育ができるようになったと思います。あとは、受け入れる側の負担軽減にもなっています。

実はご自身も中途採用で、まだ入社2年目だという安達さん。一体どのような経緯で馬潟工業で働くことになったのか、詳しいお話を伺いました。

以前の勤務先も製造業で、その時に社長と知り合ったんです。ちょうど航空機産業に本格的に参入するため、最先端機器の2台目を導入する頃でした。もの凄い機械ですので、簡単に入れられるものではないんですが、今までと同じことだけしていてはダメだと、果敢に挑戦される社長の言葉に胸を打たれて、私もそのお手伝いができれば…と思って入社しました。

世の中の製品の多くが小型化を進める中、大型、長尺の加工を得意とする馬潟工業。その個性を磨き、武器として昇華させた松尾社長の手腕と想いに感銘を受けたのは安達さんだけではありません。求人の応募者も、「新しい事に挑戦したい」と志望動機を語る方が多いのだそう。馬潟工業にはチャレンジすることを楽しみながら働ける、前向きでパワフルな職場環境がありました。

馬潟工業では約50名の従業員の皆さんが働いています。今後更に人数を増やし、事業拡大を進めるために、どのような組織づくりをしていくのか、安達さんに教えていただきました。

今は鋼材課と加工品課という部署が二つあって、それぞれに部長や課長がいるのですが、今後はその中をいくつかのチームに分けて、グループリーダーを中心に生産管理や若手のフォローができるようにしていきたいと思っています。若い職員さんもグループリーダーを目指して頑張ってほしいですね。

穏やかながら、熱く語ってくださる安達さんに、どんな方に馬潟工業の仲間に加わっていただきたいか伺いました。

やっぱりものづくりが好きなことが一番だと思います。私は小さいころにプラモデルを作るのが好きで、今も切ったり、削ったりして製品が形になっていくのがとても楽しいですね。あと、お客様から提示された図面や図形を見ながら物を作っていくので、算数が好きな方にも楽しい仕事だと思います。

仕事に楽しみを見つけ、積極的に楽しんでいる安達さん。聞くと、馬潟工業の従業員の皆さんはとても仲が良く、忘年会などの社内イベント以外にも、自転車やバイクなど趣味仲間で集まって遊びに出掛けることも多いのだそう。馬潟工業ではワークライフバランスを整えるため、どのような取り組みをしているのでしょうか?

育児休暇や介護休暇の制度はもちろん整えています。後は有給の取得も進めていて、休みがきちんと取れる環境です。社長も有給を取るよう言ってくれますので、安心して長く働ける職場環境になっていると思います。

最後に、安達さんから求職者の方に向けたメッセージをいただきました。

求人に応募する時は、その企業の将来性が気になると思いますが、馬潟工業は航空機産業に進出して、これから更に大きくなろうとしているところです。会社の基盤がしっかりしていて、安心してお仕事できる環境だと思いますので、ものづくりが好きな方、ぜひ一緒に働きましょう!

それから、最近は職場の人と休みの日に何かするっていうのは少なくなっていますが、うちでは一緒に何かやろうと盛り上げてくれる人たちが沢山います。皆で楽しく仕事をするのが一番だと思いますので、一緒に楽しみ、頑張ってくれる方にぜひ来ていただきたいと思っています。

馬潟工業の技術力は、自然と頑張りたくなる活力ある職場環境があったからこそ磨かれ、発展してきたのかもしれません。

続いて従業員代表として入社12年目の松阪拓巳さんにお話を伺いました。職業訓練校在学中に1か月の体験入社をしてから就職したという松坂さん。馬潟工業のどんなところに魅力を感じて入社を決めたのでしょうか?

航空機産業や発電所関連の規模が大きな仕事を体感して、もっとやってみたいと思ったのが一番の決め手でした。あと、良い人が多くて居心地が良い職場だったのも自分の中では大きかったです。勤務面では夜勤もあるのですが、休みがしっかり取れるのでやっていけそうだなと思い、就職を決めました。

Q.入社後はどんな業務から始めましたか?

入社後は先輩について汎用旋盤の見学からスタートしました。まずは1か月ずつ各工場を回って仕事の見学をさせてもらって、次に2~3か月ごとに各機械の体験をさせてもらいながら仕事を覚えていきました。

一歩ずつ確実にできる業務を増やし、キャリアを積んできた松阪さん。今では帯鋸盤、水中ワイヤ放電加工機、マシニングセンターなど、たくさんの機械を使いこなす実力派として、先輩からは信頼され、後輩からは頼られる存在になっています。そんな松阪さんから、松尾社長や先代社長、社員の皆さんとの温かいエピソードを教えていただきました。

僕が入社したのは先代社長の時だったんですが、とても優しい方で毎日事務所で声を掛けてもらっていました。その頃部長をしておられた今の社長も、従業員のことをいつも気にかけてくれて、よく皆を飲みに連れていってくれました。最近は世間的にはそういうのを好まない人が多いと聞きますが、飲み会の場だから打ち解けて話せることも沢山あります。僕にとってはそういう機会がとても有難かったですね。実際、社長には何でも言えます!

企業と従業員の関係も、従業員同士の関係も変わってきた昨今。馬潟工業の人と人との距離が近い社風は、とても貴重なものなのかもしれません。それは、松尾社長をはじめとする馬潟工業の皆さんのお互いを尊重し、思いやる気持ちと、切磋琢磨し成長していく活力があるからこそ成り立つものと言えるでしょう。

日々技術を磨きながら業務に勤しんでおられる松阪さんに、現在のお仕事やワークライフバランス、今後の目標について伺いました。

今はロータリー研磨という機械の担当をしています。ハードディスクや液晶モニターの部品を作るために、大きな鋼材を薄い板状に加工する作業で、陶芸で言ったら土を練っている感じでしょうか?大きな金属の塊からいきなり繊細な部品は作れませんから。

今後は複合旋盤という航空機産業参入のために導入された最新機器の技術を身に付けたいと目標を教えてくれた松阪さん。その前向きな姿勢とバイタリティを維持するには、やはりオンだけでなくオフも充実していることが重要なようです。

Q.お休みの日は何をしていますか?

0歳の子供がいるので、休みの日はほとんど家にいます。家では子供をあやしたり、遊んだりするのが楽しいです。夜勤もありますが、週2日しっかり休めるので、育児の面でもとても助かっています。

仕事もプライベートも大切にするのは、口で言うほど簡単なことではありません。しかし、馬潟工業にはそれができる環境があります。企業と働く人々が手を取り合い、進化し続けていくところに馬潟工業躍進の秘密があるのかもしれません。最後に、松阪さんから求職者の方に向けてメッセージをいただきました。

私たちの仕事は成果が目に見えます。難しいものを仕上げた時はもの凄く達成感がありますし、それがとても楽しいです。物づくりの仕事は技術や経験を積み重ねていくことが大切なので、未経験でも真面目にコツコツ頑張ってくれる方なら大丈夫だと思います。そんな方と一緒に働きたいですね!

日本の古き良き職人魂と、未来を見据えて羽ばたく行動力で、馬潟工業は今後も躍進を続けていくことでしょう。

(2019年12月取材)

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