定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。

先日、小学生からの相談でオフロード対応のラジコンカーを探すことになった。
ラジコンには、箱から出してすぐに遊べる完成品が入っているものと、
自分で組み立てるキット(簡単なものから複雑なものまで)があるが、
依頼者の要望を確認したところ、
今回は組み立てキットで簡単なものが希望ということだった。
さて、希望の品を探そうかと思案を巡らせると、図らずも懐かしい記憶の扉が開いた。
今から何年前になろうか、私が小学生のときは空前の模型ブームが到来しラジコンも非常に流行っていた。
自転車での行動圏内に幾つもの模型を扱ったお店があり、
どこもたくさんの子供で賑わっていた。
お店へは模型を買いに行くだけでなく、草レースの開催や、改造情報等、
口コミで情報を得ることができ、知らない人との交流も楽しくよく足を運んだ。
そんな中でもラジコン・模型といえば恐らく当時の誰でも思い浮かぶ某模型店が松江にはあり、
他のお店では置いてないような本格的なパーツや、上級者向けのキットまで置いてあり、
校区外のため、両親に乗せてもらいしばしば出掛けたものだ。
と、懐かしさに浸っている中、ふと現代に目を戻す。さて、今ラジコンが買えるお店はどこだろうか。
そもそも玩具や模型の専門店自体がすぐに思い浮かばない。
完成品であれば、大型のショッピングセンター、または今なら大型電気店か。
まずはそう思ったので覗いてみたが種類は少なく、組み立て式は見つからなかった。
そして店内の子供たちはゲームソフトの周辺に集まっており、模型周辺はあまり人気がない。
となれば某模型店。
この日は時間の都合で立ち寄ることはできなかったが、ホームページを見るとあの頃と同じように営業されているように見えた。
訪問すれば、また記憶の扉が開き、様々なことを思い出すのだろう。
それを楽しみに、週末にでもまた探しに行こうと思う。
子供の数が減ったのか、模型自体の人気が下がったのか、その両方かは分からないが、
模型を扱ったお店自体がずいぶん減った。
また、そもそもラジコンを走らせる場所を探すのも難しいように思う。
こういう状況が理系離れにつながるのかなと勝手に勘繰りつつ、
あの頃の居場所はないのだと気付いてしまい、何とも寂しく感じた。
まあ、寂しく思っているのは私の勝手な主観であって
当の子供の居場所は仮想空間等に新しい形で存在し、
私が単に古い時代を勝手に当てはめているだけかもなと思いながら
見上げると夕暮れ。この空の色だけはあの日と変わってないかなと、他愛無い安堵を覚えた。
(つ)