定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。
ある朝の通勤電車で、ふと車窓の風景を眺めていた時の事です。
途中停車駅のホームのはしっこを、何やら小さなものが動めいているのが視界に入りました。
よくよく目をこらすと、小さな沢蟹らしきものが歩いているではありませんか!
駅ではなかなか出会えない小動物の姿に、「どうしたの?」「とこから来たの?」「どこに行くの?」と声にならない声を、心の中で繰り返してしまいました。
その駅の近くには小川が流れていたため、水辺から何かのはずみで彷徨い辿り着いたのかもしれません。
田舎に住んでいると、思いがけない小動物に、思いがけない場所で出会うことが時々あります。
路上を横断するカメなどは複数回目撃したことがあり、都市部でニュースになっているのを見て、逆に驚きました。
ひょっこり現れる小動物の姿を見ると、地域社会は人間のみの住処ではないという当たり前のことに、改めて気づかされます。
たまたま大きな構造物を人間がいたるところに建設していますが、そんな構造物が建つ前に、川や山はすでにその地にあり、その中で小動物はそれぞれの営みを繰り返してきたんだよな、と今更ながら思い起こされました。
様々なことが「人間ファースト」になりがちですが、地域社会の一員は人間だけではないんだという当たり前のことを、改めて考えさせられた、ある朝の出来事でした。
(でんでんむし)