定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。

祖母が亡くなって、何年経つのだろう。
ふと、思い出す、様々な事。
私が幼い頃、その時に祖母は何歳だったのか。
サザエさんのフネさんのようなヘアスタイルのおばあちゃんは、朝起きた時に髪に葉っぱを挿している時があった。「おばあちゃん、どうして葉っぱつけてるの?」と聞くと、悪い夢を見たから南天の葉っぱ挿してるんだよって。難を転じるおまじないをしていたようだった。それから、たまに葉っぱをつけてるおばあちゃんを見ても、「おばあちゃん、悪い夢見たの?」と聞きはしても夢の内容までは尋ねることはなかった。その夢はどんな悪い夢だったのか、南天の葉っぱはおばあちゃんを悪い夢から守ってくれたのか、今となっては知る由もない。
お友達と日帰り旅行に行ったりすれば、必ず可愛らしいお土産を買ってきてくれたものだ。その時、おばあちゃんがどこに行っていたのか誰と行ったのか、お出かけが好きだったのか、私は何も知らない。
七夕の時には裏山から笹を切り出して来てくれて、短冊に願いごとを書いたり飾りつけをさせてくれた。お月見の時にはススキにお月見団子、お節句には笹巻もたくさん作って食べさせてもらった。お雛様を飾ってくれた事、お正月にはお着物を誂えてもらった事。季節をたっぷり、味合わせてくれて、行事を大切にしてくれていたのだなと今となってしみじみ思う。
たくさんたくさん、してもらっていたのに、その時に私はちゃんと「ありがとう、おばあちゃん。」と言っていたのかと思う。おばあちゃんのお話を聞いたり、気持ちを聞いた事があったのかと思う。
相撲をテレビで見ていた祖母に、相撲が好きなんだろうなと子ども心に思っていたけど、「おばあちゃん、お相撲好きなの?」と聞いたことがあっただろうかと思う。
してもらっていた事は全部全部、当たり前のことではなかったと。
歳を重ねて、やっとやっと、気づいたと。
おばあちゃんに伝えたい。
(ウ)