定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。

NHKの朝ドラ「ばけばけ」がはじまった。
ラフカディオハーンと妻のセツが一時期住んでいた松江が主な舞台とあって、地元島根では盛り上がっている。
予告番組を見たが、ハーンは幼い頃両親と離別したとか育ててもらった叔母さんの事情で学校を中退したとか、地元でありながら知らなかったことも少なくない。
しかしハーンといえば、やはり耳なし芳一などの怪談である。
この怪談を英語(ローマ字)表記すると、「KAIDAN」ではなく「KWAIDAN」としたのが面白い。
出雲弁特有の発音では「か」よりも「くぁ」「くわ」に近いかららしい。
地元民のひとりとしては、怪談は「か」のままで良いのではと思ってしまうが、高齢界隈では「くぁ」の存在は認めざるを得ない。
例えば「これは何ですか」のフレンドリー用法として「か、何だや」が知られている。
これこそ「くぁ」の代表例であり、「KWA,NANDAYA?」となる。
近所に「くわじだに」という屋号の家があるが、これも60代以上の住民は皆「KWAJIDAN」と呼ぶ。(「に」も「ん」に変形されてしまう)
しかし、地元に50年以上住んでいる自分だが、いまだに正しい「KWA」の発音が上手にできない。
それだけ高度なスキルを要するのに、いわんや俳優が一時の訓練で出雲弁を体得できるはずがない。
逆にどれほどネイティブ発音に近づけてくるか、「KWA」が使われるかも含めて楽しみである。
(蝮)